僕は美容師1年目で目標設定を間違えた。
僕は美容学校を卒業して、1年弱カナダに留学した後、実家で1年間のんびりしてから上京した。
上京して、日本での美容師生活を始めた僕のやりたかったことは、
「とにかく楽しく髪の毛をいじること。」
この目標を達成するためには美容室で働くのが一番早い。
というか、あとは楽しむだけで達成できてしまう。
カットは下手でもいいし、カラー材も今の時代は知識がなくても使えるほどわかりやすい。パーマは難しかったけど、スタイリングが得意だったから必要なかった。
働き始めたら案の定、とても楽しかった。
目標達成。
そして、1年程が経った頃。
とても練習が嫌いになった。
仕事は楽しかったけど、まったく練習をしなくなった。
同じことの繰り返し。目に見えない成長。辛い。なんでこんなことをやらなきゃいけないんだ。もう嫌だ。
でも、練習を強制されるお店ではないので辞めたいとは思わなかった。練習しなきゃいい話です。
もし、強制されていたら。。。
・・・。
なぜ、そんなことになったのか。
そりゃそうです。僕の目標を達成するのに、練習は必要なかった。というか、もうすでに達成できてしまっていたんだから。
このとき僕が間違えてしまったことが2つある。
ひとつは「目標設定が身の丈に合いすぎていた」こと。
身の丈に合った目標というのは、やってないか気付いてないから出来てないだけで、やるか気付くかすれば達成できてしまうもの。
しかも、僕の場合、その目標が達成できることが目に見えていた。
目標設定のいろはがわかってなかった。
それだけだったらまだよかった。
もう一つ間違えたのは「目標を達成したときに新しい目標を設定しなかった」こと。
僕は最初の目標を設定したとき、かなり塾考した。
達成できそうな目標をしぼってしぼってしぼって、考えて考えて考えて、大事に設定して、まるで書初めのように心に植え付けた。
だから、達成した後も大事にしすぎていた。
これが僕のベストライフだ。と。
目標を達成して新しいものが自分の中に入ってくると、もちろん価値観が変わる。価値観が変わったその目で見たら、目的も目標も全く違って見えてくる。
それを知らなかったために。
そこに無限に広がる楽しみを見つけられなかったのかもしれない。
目標を達成したとき、ふぅと一息ついて大きく見渡してみると、多くの人の目の前には、今まで見えていなかった世界が広がっている。
そこでまた、目標設定をする。
大事なのは「自分に出来るかわからないけど、本当にやりたいと思うこと」を必死に探して、心に書初めをしていくことなんだ。
ちなみに、その後毎晩のように練習モデルをやって鍵を閉め、朝は誰よりも早く出勤した。お店に泊まったんじゃないかと疑われた日もあったほどだ。
通勤電車ではもっぱら文章を書いたり、ムービーの編集をしたりしていた。
現在は新しいことにチャレンジして日々勉強だ。苦しい中全力を尽くしても報われないような事もたくさんあるが、1日をフルに使ってスキルアップを図っている。
どこをみたら練習嫌いなのか。
要は気持ち。やりたい事とやったほうがいい事をうまくリンク出来るかどうかだ。
幸い僕にはやりたいことがたくさんある。さらに言えば、僕は美容師が天職だと思っているけど、美容師が適職だとは思っていない。
もっと自分に向いている仕事が他にたくさんあることは明白だ。
でもそれらは、美容畑で育てていけるものがほとんどだった。
カメラも好きだし。映像を作るのも好き。昔は俳優や映画監督を志したほどだ。文章を書くのも好きで、よく趣味で小説を書いたりしていた。もちろん読書も好きだし、舞台の演出なども好きだ。
絵を描くことだけは苦手である。
だから、僕はブログを書くし、セミナーをするし、出版をするし、動画の撮影編集もする。
それらは僕がやらなければならないことではない。ただやりたいことだ。
世の中を見渡せば確かに代わりはいくらでもいる。
しかしそれでも、これは絶対に僕にしかできないことだ。
それは、やった後に気付いたことだ。
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